南西フランスからボンジュール 

耳の聞こえないルシル塚本夏子が、聞こえる世界と聞こえない世界の境界線を溶かす挑戦をつづります。

culture signes

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先週の木曜日、Sens dessus dessous (https://www.sensdessusdessous.org/…/projection-du-film-cul…/ ) という映画のアクセシビリティ活動に携わっているアソシエーションが企画した上映会がトゥールーズ市内の映画館であり参加してきました。

監督自身も来ていらして、フランス手話通訳付きの舞台挨拶と、上映後の観客との質疑応答が行われました。


映画は Carole SIONNET 監督のドキュメンタリー »Culture Signes 手話の文化«  (2013年作品, 1時間26分) です。


冒頭、京都の先斗町の小道のシーンから始まるのですが、この映画、全編を通して日本が舞台という展開。フランス人映像作家のCarole SIONNETさんが言葉も全くわからない日本という国に自ら数ヶ月潜り込み、旅をし、大阪や京都在住の日本人ろう者やアメリカ人コーダ(親がろう者の聴者))との会話や日常生活、職場の風景を追い続けることによって、日本文化と、日本の手話の文化の二つの文化をカメラのレンズを通して浮かび上がらせるという何とも貴重な作品でした。

それぞれの国によって言語が違うように手話も異なるのですが、音声言語に比べて手話の方が比較的すぐ意思疎通が円滑になるということ、caroleさん自身、手話を通して日本文化や日本人のろう者たちに近づくことができたというようなことを述べられていました。

上映終了後、Caroleさんとお話しする機会が持てました。ご自身フランス手話の堪能な方で、その場にいたフランス手話通訳者を介する必要なく直接お話しができ感激。残念なことにこの作品、イタリアなどの映画祭では公開されたこともあるようですが日本では未公開のこと。

上映にあたっては、配給や字幕翻訳などの問題があるようですがテーマがテーマなだけに多くの人の目に触れられれば良いのにと感じました。

 

映画のサイト:http://culturesignes.com/Culture_Signes/Culture_Signes.html


フランス語字幕バージョンの映画のDVDはこのサイトに申し込めば買えるそうです:http://www.lavillebleue.com/La_Ville_Bleue/BLEUE.html