南西フランスからボンジュール

ヨーロッパ在住17年。フランスに移住して10年、聞こえるフランス人夫と聞こえない日本人の私、聞こえる日仏ハーフの子育てや活動、仕事、悲喜交交の日常などを綴ります。「明るく楽しく朗らかに生きる」がモットーです。

Il suffira d'une langue des signes français : フランス手話だけで十分だろう

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スーパーの店頭に並べられた ボジョレーヌーヴォー

土曜日。午後から、市内中心部にある、ろう者が経営している児童書店「L'Oui -Lire」が企画した、フランス手話の読み聞かせのイベントに次男を連れて出かけました。

 

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今月は「Rencontres Ville & handicap (都市と障害者のサミット)」という月間で、11月15日から28日まで様々な啓発活動がいろんな場所で展開されており、絵本の手話での読み聞かせもその一環でした。

https://www.toulouse.fr/web/social/handicap-et-accessibilite/rencontres-ville-handicap

またProjection transition féstival de ciné -debatが主催した映画の上映、パネルディスカッションのイベントが地元の映画館で実施され、友達が映画上映後のパネルディスカッションに出席し、手話通訳もつくということで、次男を旦那に預け、行ってきました。

 

projectiontransition.fr

 宮崎駿のアニメ「もののけ姫」上映後、地球化学者の友人を含めた3人の専門家が、映画に込められたメッセージを受けて、人間と自然の関係性をどう考え直すかについて討論しあうというものでした。


討論会の後、長男はクラスメートの女の子マチルダちゃん(仮名)の誕生日会に招待されて行っていたので、先に次男を連れて旦那に行ってもらい、私も現地で合流しました。子供達が遊んでいる傍で、フランス人の親たちは庭で、グラスワインやおつまみを手に、おしゃべり。

目前に恰幅の良いフランス人男性が現れました。誕生日会の家の主人、マチルダちゃんのお父さんです。言葉を交わしたことはありませんでしたが、マチルダちゃんの妹と次男が幼稚園で同じクラスで、毎朝送っていく時によく見かけていました。簡単な自己紹介の後、

そのお父さん、
「実は僕はね、20年くらい前に、シアターでろう者と仕事をしていたんだよ。だから、その時にフランス手話を勉強していたんだ。でもしばらく使わないでいるうちに、時間の流れとともに手話を忘れていってしまった。君と出会ったから、もう一度手話を勉強しなおさければね。」
「へぇ、そうなんですか!それは嬉しい!シアターはトゥールーズの?」

「いやパリだ。しばらくパリに暮らしていたんだけど今の妻と出会い、トゥールーズには

2016年に引っ越してきた。」

「パリといえば、IVT: International visuel theatre (国際視覚劇場: フランス唯一のろう者のための劇場、手話をはじめとする各種養成講座や手話に関する書籍やDVD販売、公演や講演会など積極的な啓発活動を行なっている。)がありますよね!」


「ああ知っている。勤めていたのは別の劇場だ。・・・手話は美しい言語だと思う。美しいね。ろう者たちは表現力が巧みで、視覚に優れ、出会うとすぐに、その人の特徴を捉えたサインネームを上手に作っていくよね。」

少し忘れてしまったというフランス手話は途切れ途切れではありましたが、ろう者と交流し演劇の経験があるせいか見事なまでのジェスチャーと、明快な口の動き。
いつしか他のフランス人のパパやママたちまでが話の輪に入ってきて、私や夫の紹介も混ぜながらぐんぐん周囲を巻き込んでいく。お酒が進むとともに話が展開していき、みんなで手話を学ぶ会をやろうということに。「タイトルは、こうしよう。「Il suffira d'une langue des signes français : フランス手話だけで十分だろう」、これでどうだ」

めっちゃいい、このネーミング。
めっちゃいい、この陽気さ、快活さ。朗らかさ。

おそらくこれから長い付き合いになるであろうこのお父さんと一緒になって、うまく周囲を巻き込んで、少しずつ始めていこう。

楽しくて笑いが止まらず、グラスワインをお代わりして、運ばれてきたおつまみ、北フランスを代表するチーズを使ったタルト・オー・マロワールを口に頬張り、感激の美味しさだったので、レシピを教えてもらい、ほろ酔い気分になりながら、静かに夜は更けていくのでした。

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課外授業の引率で映画館へ

Ciné-concert | Chaplin: The Circus | 19.09.2021 | Flagey - Brussels  PhilharmonicBrussels Philharmonic
(画像はネットからお借りしました)

長男が9月に小学生になってから、学校から出される課題をはじめ教科書の透明ビニールシート貼りなど初体験もいくつかあり、そのたびにユーチューブ先生のお世話になったり、先輩ママたちの体験談を伺ったりして、あたふたしている新米ママです。

今日は初めて「課外授業」の引率を体験しました。
遠足や美術館巡り、映画鑑賞といった外出の授業の時には、担任の先生以外に希望する親が数名付き添う必要があり、連絡帳に案内が貼り付けられます。

学校から帰ってきた長男、
「木曜日に課外授業で映画館に行くんだけど、ママ来れる?仕事はない?」
「木曜日午前中だよね?」スケジュールに空きがあったので、「ママ大丈夫だよ!」と返事しました。ところが火曜日、帰ってきた長男、

「引率する保護者もう決まっちゃったみたい・・。先生が言ってた。Aちゃんのママになっちゃったんだ。だからママ来れないよ」と、とても残念そう。

そこで連絡帳に先生に「明日の映画の引率なのですが、今からでも大丈夫でしょうか。私もよければお手伝いさせていただきたいのですが。映画のチケットを払うことになっても構いません。」といった内容を記して、長男に、先生に直接渡してもらうように頼みました。朝の送迎タイムでは門のところに担任の先生が立ちあわないため、話す機会がないのです。案の定先生から快諾が出ました!

引率が決まった長男、とても嬉しそうで
「明日はママと映画にいいく!」
「明日はママが学校に来てくれる!」
「◯◯ ←(弟の名前)明日はママと僕は映画を一緒に観にいくんだ、いいだろ」
と繰り返し、弟にヤキモチを焼かせていました。

フランスの小学1年生と2年生の合同クラスと、小学2年生のみの2クラス、合計46人の子供達は2列になって並び、その最後尾を担任の先生と並んで、映画館に向かいました。
せめて後ろ姿だけでも撮りたかったのですが携帯を家に忘れ、撮りそびれました・・。
学校のすぐ横が映画館なので引率も楽です。

映画館にはベビークッションがたくさんあり、部屋の隅へ子供達は一目散に取りに行きます。
映画館の重いシートを抑えながらクッションを置くのが小さい子には難しかったようで、
サポートしてあげました。何人かの子供達が私がもう一人のフランス人ママと筆談で会話する様子を珍しそうに見ていました。
「聞こえないお母さんがいる」ことを知ってもらうことも、今回引率を希望した理由の一つなので、珍しがっていいんですよ!
そして「◯◯◯←(息子の名前)くんのお母さんって耳が聞こえないんだね」とどんどん知ってもらおうと思っています。

映画はチャップリンのモノクロ映画「サーカス」。フランス語字幕もついていましたが、ほとんどサイレンス映画、1時間20分、私も子供たちと一緒に笑いながら楽しみました!

とても面白いギャグではあるものの、ライオンの檻の中に入ったり、サーカスの綱渡りをしたりと、チャップリンの体を張った巧みな演技、そして字幕がなくても十分に視聴者に伝わる、ろう者並みの表情の豊かさに今更ながらに驚かされます・・・

帰り、担任の先生と最後尾を歩きながら学校に戻りましたが、先生が持っていた冊子を尋ねると、見せてくださいました。
「今日みた映画はなに?」
「誰が出てきた?」
「なにが面白かった?」
といった質問が並べられていて、これからクラスで話し合いをするのだそうです。
楽しそう!私も生徒になりたい。笑

とても新鮮で楽しい経験でしたが、息子が私が来ることが嬉しそうだったことが何より嬉しかった。
これからも積極的に、こういった行事に関与していきたいと思ったのでした。

Un, deux, trois, soleil (アン・ドゥ・トロワ ソレイユ)

フランス式秋休み、トゥッサン(「万聖節」(tous saints:全ての聖人))のバカンスが始まりました。これから子供達の学校は2週間の休暇に入ります。
夏休みが終わって、新学期がスタートしたかと思えば、もう秋休みです。
あっという間にクリスマスが来そう・・。

夕方から、サイクリングを兼ね隣町の湖へ。
10分も自転車を走らせると、住宅街を超えて、広々とした公園にたどり着きます。
木々がずいぶん紅葉してきました。

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公園の遊具で子供達を遊ばせていたら、たまたま長男のクラスメイトの女の子、エマちゃん(仮名)もパパと一緒に来ていました。

エマちゃんと私たち4人で一緒にフランスバージョンだるまさんがころんだをやろう!と言うことになりました!フランスの掛け声は、アン・ドゥ・トロワ・ソレイユ!1、2、3、太陽!なんですねー。木の前に立ち、目をつぶり
「アン・ドゥ・トロワ ソレイユ!」と指文字で1、2、3 、そして 手話で「ソレイユ」を表しながら掛け声をかけ、パッと後ろを振り返り、動いてる人がいないかなーとチェック。
「だるまさんがころんだ」と言う掛け声よりも、
鬼が振り向くのが早い!
なので、すぐに動いたの見つかっちゃいますね!

次男は「動いた、戻って」と言われてもなんのその・・・。笑
大股に進んで鬼に近づいてました。

この掛け声、国によって色々違うみたいで、面白いです!

ちなみに、フランス手話
ソレイユ(太陽)はこう表します。↓

 

https://dico.elix-lsf.fr/dictionnaire/soleil/n.m.-216056

久しぶりにキャンパスへ

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久しぶりにトゥールーズ第二大学まで車を走らせました。
4月末に全ての講義や試験を終え、3年次のメンバーはそれぞれの場でのインターンが始まったので、実に半年ぶりのキャンパス訪問でした。

いつしか季節は、春を越し夏をも越えて、枯れ木がひらひら舞い落ちる秋になっていました・・。4月の最後の授業を終えた後、フランス人のクラスメートたちと灼熱の太陽の光を浴びながら、円になって芝生に座り、ランチをしたひと時を思い出しました。去年から今年にかけてはコロナ禍でほとんどがオンライン授業になり、実践の科目が多い私の所属学部は特例として対面授業が認められていたものの、学生がまばらで閑散としていたキャンパスは、今、たくさんの学生たちで溢れ、マスクこそしているものの、コロナ以前のような活気が戻ってきたように見えました。

今年は日本をはじめとした外国からの交換留学生受け入れを再開しているそうで、外国人のためのフランス語学科には、何人かの日本人交換留学生も在籍しているとのことでした。

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11時にアラン先生とのランデブーが始まる前に少し時間があったので、
大学に行き始めた同世代の日本人のお友達に連絡を取り、お茶に誘ってみました。
課題は大変だけど、交流がとても楽しいの!!と友人。
生き生きしてる姿がかっこよかったです。

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子供達の宿題の親としての対応や、コミュニケーション方法など、日仏カップルだからこそ抱える悩みなども相談できる、頼りになるお友達です。
いつもありがとうー。また会おうねー。

アラン先生とも久しぶりの再会。
学部時代は課題や発表の山、授業が終わればその足で子供達のお迎え、忙しすぎて、ゆっくりお話しすることもままならなかったけれど、今日は先生と生徒という垣根を超えて、近況話に花を咲かせることができました。

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なんと先生、ディレクターを務める一方で、この秋から博士課程にも在籍されたそう。
「僕は58なんだけど、また学生に戻って頑張ってみるよ」
茶目っ気たっぷりに笑いながらおっしゃる先生、柔道の大会で、10年前に日本訪問もされたこともあるとか。とにかく向学心素晴らしいです。応援してます、先生。



個人面談には手話通訳者を帯同して

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6歳の長男は9月から、小学生になりました。

フランスの学年ではCP、日本の学年では小学一年生に該当します。
在籍しているのはCE1(小学二年生)との混合クラスで、ひとクラスの26人のほとんどの児童がCE1なので、CPの子供達が、先日授業の理解度を測る試験を受験したため、その試験結果報告についての面談だということでした。

夫と手話通訳者と一緒に担任の先生にお会いしてきました。
コロナ禍ということもあり、息子の教室に入るのは初めてでした。

学校の行事関係はランデブー(予約日)が決まったら、手話通訳を手配します。
トゥールーズ市内では、interpretis や RIMなどのような民間のエージェントが中心となって、手話通訳の派遣を行なっていますが、市内の主な手話関係のイベントや大学の講義などはここから派遣されることが多く、在仏期間が長くなった今では、顔見知りの通訳者さんばかりです。今回来てくれた手話通訳者は男性のYさんでした。


通訳経費は、(状況に依りますが)、国から70デシベル以上の高度難聴者やろう者に月々支給される、文字通訳、手話通訳、LPC(キュードスピーチ)通訳に支払うためのPCH手当から捻出するという形です。

また、フランスの手話通訳者は大学院の修士課程修了のディプロム所持者なので、1時間あたりの派遣料も70−80ユーロと高めです。

 

学校に着いたのは、お昼休みの時間帯。

閉まっている校門を覗き見すると、校庭に子供達が列になって座り、前に3人ほどの児童が立っているのが見えました。「子供達がみんなで歌を歌っているよ。」とYさん。「なんの歌か歌詞まではわからないけれど、フランス語が聞こえる・・」

夫がインターホン越しに話します。「◯◯◯の父ですが・・・ウィ、聞こえますか?ウィ◯◯◯の父です。これからマダム・コンスタンスとのランデブーがあるのですが。」

インターホンの会話のやり取りまでも通訳してくれる

Yさんのひらひら動かす手を見る私です。

洗濯バサミで吊るされた子供たちのアートたち

今日は夕方息子の通う幼稚園の年少から、小学校高学年までの子供達が描いた作品の展覧会が近くの図書館の横の公園で開催されると学校から連絡が回っていたので、子供達を迎えに行った流れで一緒に行って来ました。

壁もないのにどうやって展覧会?

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答えは、空気が壁!笑

木々の間に張られたロープに子供達の描いた色とりどりの作品が、洗濯バサミで吊るされていて、まるで洗濯物のように、秋風とともにひらひら揺れていて、公園という空間自体が一つのアート作品のようになっていました。

名付けて、「La grande lessive ー たくさんの洗濯物たちー」。
フランスでは、学校行事に限らず、よくあるイベントの一つのようです。

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たくさんの保護者が、子供達の作品を見るために訪れていましたが、
我が子たちはずっと公園の中の竹藪の中を走り回っていたので、近くでベビーカーをひきながら同じく竹藪の中に入っている自分の娘を見守っていたフランス人パパに声をかけられました。
子供達何歳?とか、名前は何?とか、同じクラスだよね、とか当たり障りない会話を、フランス語の読唇でしました。

それから嬉しいサプライズですが、子供のいるクラスにもう一人日本人ハーフの子がいることが先日判明して、ちょうど日本人の親御さんが展覧会に訪れていたので、
「こんにちはー」と、恐る恐る近づいて話しかけてみました。
マスクだと、本当に口が見えません・・・。
コロナ禍になってから、一段とハードル高いです。
「耳が聞こえないので、マスクを外してお話してもらえませんかー?」
快く応じてくださり、読唇もしやすい方で、話が盛り上がりました。

他にも何人かのフランス人ママたちが、代わる代わる声をかけてくれました。
こういうところで少しずつ手話を広める活動もできたらいいな。
また少しずつ新しい人間関係の輪が広がっていきそうな予感に充ちた、初秋の夕暮れでした。

フランスのあわただしい朝

耳の聞こえない私は、地域の聞こえる子供の通う幼稚園や小学校に在籍していましたが、
近所の公園などに集合して集団登校する「通学団」というものがあって、小さい子から高学年までみんなで一緒に15分かけて徒歩登校していました。小学6年でリーダーになると腕に腕章をつけて先頭を歩くので、チョッピリ誇らしい気分で、下級生たちを率いて登校したなぁ・・。

所変われば、通学方法も変わる、と。
息子たちの通うフランスの学校では、親が子供達が小学校を卒業するまで、保護者が学校へ送り迎えするので、8時20分から8時30分までの10分間の開門タイムは、校門付近は、あふれんばかりのパパ、ママたち、子供達の行き来でごった返します・・。
校門の前の道路にはパトカーが停車し、事故を防ごうという観点から、最寄りの駐車場は送迎時間は駐車禁止区域になっています。

そんなわけでちょっと離れたところに車を停め、次男を抱っこし、長男を横に、校門まで走り抜ける。長男を校門脇で送り届けた後、少し離れた次男の幼稚園まで、ダッシュ。
先生に挨拶をして教室の中まで次男を送り届け、立ち去ります。
10月になり、一気に気温が下がったフランス。
朝の冷気を肌に感じながら、駆け抜けるのはなかなか気持ち良いですが、
ちょっと遅れた時など、迫り来る閉門時間に焦る焦る・・。

よく見かけるのは、子供を後ろに乗せたトレーラーを接続するタイプ。

後ろだけかと思っていたら、前にもありました!↓

おお!かっこいいなーと思い、調べてみたけれど、結構なお値段ですねぇ。


f:id:sourdfrance:20211014183940j:plain後から夫から「これ、僕の同僚の自転車だよ」
とショートメールでツッコミがありました。笑
自転車をこぐ人ではなく、箱の中に入ってみたい・・。
どんな世界が見えるんだろう。

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また、帰り際には無事に子供を送り届けたお父さんが、朝のひと仕事終えたぞーと言わんばかりのすがすがしい表情で、悠然とルンバのような乗り物に乗って、目前を駆け抜けて行きました。ちょっと惚れ惚れしました・・・。

 

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この電動一輪車もよく見かけ、乗ってみたい衝動に駆られます。