南西フランスからボンジュール 

耳の聞こえないルシル塚本夏子が、聞こえる世界と聞こえない世界の境界線を溶かす挑戦をつづります。

個人面談には手話通訳者を帯同して

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6歳の長男は9月から、小学生になりました。

フランスの学年ではCP、日本の学年では小学一年生に該当します。
在籍しているのはCE1(小学二年生)との混合クラスで、ひとクラスの26人のほとんどの児童がCE1なので、CPの子供達が、先日授業の理解度を測る試験を受験したため、その試験結果報告についての面談だということでした。

夫と手話通訳者と一緒に担任の先生にお会いしてきました。
コロナ禍ということもあり、息子の教室に入るのは初めてでした。

学校の行事関係はランデブー(予約日)が決まったら、手話通訳を手配します。
トゥールーズ市内では、interpretis や RIMなどのような民間のエージェントが中心となって、手話通訳の派遣を行なっていますが、市内の主な手話関係のイベントや大学の講義などはここから派遣されることが多く、在仏期間が長くなった今では、顔見知りの通訳者さんばかりです。今回来てくれた手話通訳者は男性のYさんでした。


通訳経費は、(状況に依りますが)、国から70デシベル以上の高度難聴者やろう者に月々支給される、文字通訳、手話通訳、LPC(キュードスピーチ)通訳に支払うためのPCH手当から捻出するという形です。

また、フランスの手話通訳者は大学院の修士課程修了のディプロム所持者なので、1時間あたりの派遣料も70−80ユーロと高めです。

 

学校に着いたのは、お昼休みの時間帯。

閉まっている校門を覗き見すると、校庭に子供達が列になって座り、前に3人ほどの児童が立っているのが見えました。「子供達がみんなで歌を歌っているよ。」とYさん。「なんの歌か歌詞まではわからないけれど、フランス語が聞こえる・・」

夫がインターホン越しに話します。「◯◯◯の父ですが・・・ウィ、聞こえますか?ウィ◯◯◯の父です。これからマダム・コンスタンスとのランデブーがあるのですが。」

インターホンの会話のやり取りまでも通訳してくれる

Yさんのひらひら動かす手を見る私です。