南西フランスからボンジュール 

耳の聞こえないルシル塚本夏子が、聞こえる世界と聞こえない世界の境界線を溶かす挑戦をつづります。

洗濯バサミで吊るされた子供たちのアートたち

今日は夕方息子の通う幼稚園の年少から、小学校高学年までの子供達が描いた作品の展覧会が近くの図書館の横の公園で開催されると学校から連絡が回っていたので、子供達を迎えに行った流れで一緒に行って来ました。

壁もないのにどうやって展覧会?

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答えは、空気が壁!笑

木々の間に張られたロープに子供達の描いた色とりどりの作品が、洗濯バサミで吊るされていて、まるで洗濯物のように、秋風とともにひらひら揺れていて、公園という空間自体が一つのアート作品のようになっていました。

名付けて、「La grande lessive ー たくさんの洗濯物たちー」。
フランスでは、学校行事に限らず、よくあるイベントの一つのようです。

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たくさんの保護者が、子供達の作品を見るために訪れていましたが、
我が子たちはずっと公園の中の竹藪の中を走り回っていたので、近くでベビーカーをひきながら同じく竹藪の中に入っている自分の娘を見守っていたフランス人パパに声をかけられました。
子供達何歳?とか、名前は何?とか、同じクラスだよね、とか当たり障りない会話を、フランス語の読唇でしました。

それから嬉しいサプライズですが、子供のいるクラスにもう一人日本人ハーフの子がいることが先日判明して、ちょうど日本人の親御さんが展覧会に訪れていたので、
「こんにちはー」と、恐る恐る近づいて話しかけてみました。
マスクだと、本当に口が見えません・・・。
コロナ禍になってから、一段とハードル高いです。
「耳が聞こえないので、マスクを外してお話してもらえませんかー?」
快く応じてくださり、読唇もしやすい方で、話が盛り上がりました。

他にも何人かのフランス人ママたちが、代わる代わる声をかけてくれました。
こういうところで少しずつ手話を広める活動もできたらいいな。
また少しずつ新しい人間関係の輪が広がっていきそうな予感に充ちた、初秋の夕暮れでした。